波久礼駅

波久礼駅の気になる由来と木造駅舎【秩父鉄道/寄居町】

投稿日:2021年8月30日 | 更新日:2023年9月28日

当ブログはアフィリエイト広告を使用しています

秩父鉄道の2泊3日で特に駅舎が印象的だった波久礼駅(はぐれえき)をピックアップします。

波久礼駅って、名前が個性的で由来が気になったり、駅舎が“The・木造駅舎”って感じでレトロ好きにはたまらなかったりと何かと魅力的で、訪問前からワクワクしてました。

というわけで、たっぷり駅舎の写真を撮ってしまいました。画像たっぷりでお送りします。

※2021年8月現在の情報をもとに書いております(撮影日は下記参照)




波久礼駅の歴史と名前の由来

波久礼駅

波久礼駅の基本情報

所在地:埼玉県大里郡寄居町大字末野81番地1
路線:秩父鉄道
撮影日:2021年6月下旬

有人駅ですが、駅係員さんがいる時間は限られています。あと平日限定で、電車の中に自転車を持ち込める「ちちてつサイクルトレイン」の対象駅となっています。

時刻表は2021年3月15日に改正されており、おおむね1時間に1~2本停車します(公式サイト)。

波久礼駅の歴史と由来

秩父鉄道は明治32年(1899)に創立され、波久礼駅は明治36年4月1日に開業しました。ちなみに昔の秩父鉄道は、上武鉄道って呼ばれていたそうですよ。

波久礼駅という名前の由来は、地形が崩れやすい危険な場所を意味する破崩(はぐれ)から来ていると伝わっています。

波久礼から先の路線延長の進展は困難で、周辺の地形が崩れやすく、岩盤が荒川に直下に臨む断崖絶壁だったそうです。いわゆる難所という訳ですね。

ちなみに波久礼駅~金崎駅(現在の秩父駅)間の工事を終え、営業を開始したのは昭和44年(1911)。この時間の経過で、いかに大変だったのかが分かります。

また波久礼~秩父間の路線延長では、資金調達のために渋沢栄一が協力したことが知られています。

地元の図書館で借りたこちらの本で勉強しました。




波久礼駅のホームと駅名標

波久礼駅

波久礼駅の由来が分かったところで、駅探索を楽しみましょう。まずは柱用駅名標。青地に白文字ってところが、ローカル鉄道らしくていい感じです。

波久礼駅

ホーム上屋と駅名標。現在は両側に線路がある島式ホームですが、以前は中線を1本はさんだ対向式ホームだったそうですよ。

波久礼駅

木製のベンチはちょっと色が剥げてて歴史を感じさせてくれます。

また、「電車が来ます一歩下がってお待ちください」という案内が電光掲示板ではなく木の板なのがいいですね。

波久礼駅

緑に囲まれたホーム上屋。赤色の1番線が下り方面、青色の2番線が登り方面です。

波久礼駅

駅構内にある小さな踏切を渡ると、改札がある駅舎に着きます。ホームの方がちょっと高い位置にあるので、ここからだと屋根がよく見える。瓦ぶき屋根と、庇は赤色のトタン屋根のようです。

では、いよいよ駅舎をじっくり見ていきましょう。




時が止まったかのような波久礼駅の待合室

波久礼駅

踏切を渡って駅舎へ。

波久礼駅

改札には硬券を入れる箱。今回の旅では私もこの箱にお世話になりました。

実は私、この旅で失敗しておりまして。秩父鉄道っていつでも1日乗車券(秩父路遊々フリーきっぷ)を買えると思ってたんです。でも実際は土日祝日、SL運転日、そして指定期間しか買えなくて……。1回1回、電車に乗るごとに切符を買うことになってしまいました。

このことに気付いたときには旅程を決めて取材先への連絡もホテルの予約も済ませてたので、「これも何かの思い出に」と思うことにしました。

波久礼駅

きっぷを入れて改札へ。精算所や出入口の案内板が手書きみたいでテンション上がります。

波久礼駅

なかでも「定期券ははっきりお見せ下さい」という案内板はレア度が高くてキュンと来ました。

波久礼駅

駅係員さんがいる窓口。隣の自動券売機は、タッチパネル式じゃなくてボタン式です。これもだんだん貴重になってきています。このままでいて欲しいなぁ。

波久礼駅

待合室の中央には大きなベンチがドカリ。壁に沿って設置された長ベンチもありました。ポスターがあちこちに貼られているのもレトロ駅舎って感じで旅情をかきたてます。

波久礼駅

長ベンチに座って撮った待合室。ここからの眺めが特にお気に入りです。なんか時が止まってるみたいでしょう?あと、健康の決定食「エナーゼ」の看板の謎の存在感も好きです。

続いて駅舎を外から見た様子と駅前の様子を紹介しましょう。




波久礼駅の駅舎外観と駅前の様子

波久礼駅

玄関口も改札口と同じく、トタン板の庇がついてます。横に電話ボックスがあるのがレトロ感が高くて良い。

波久礼駅

駅舎全体の外観はこんな感じです。木の板を並べた壁は塗装が剥げてまだらに。レトロな木造駅舎が好きな者としては、こういう建物を見ると「ずっと変わらずにいて欲しい」と願ってしまうわけですよ。

波久礼駅

駅舎を横から見てみると・・・

波久礼駅

「かつてはここからも人が出入りしていたのかしら?」と感じさせる、改札のフネのような柵がありました。

波久礼駅

電話ボックスのそばには水道。水が出るかどうかは分からず。蛇口をひねる勇気がありませんでした。

波久礼駅

駅舎の正面には句碑らしきものがありました。

波久礼から日暮れて梅の花白し
波久礼から河や桜などぶらりぶらり

と刻まれています。

西望とは、長崎平和公園にある長崎平和祈念像を手掛けたことで知られる北村西望のことです。波久礼に来て、ぶらりぶらりと歩いたことがあるのでしょうね。

こんな感じでじっくり駅探索をした後は、散策に出かけましょう。私がぶらりぶらりと歩いた様子は次回お伝えします。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

鉄道コム
応援クリックしていただけると嬉しいです。