今回はたくさん見てきた駅舎のなかでも特にお気に入りの肥前七浦駅を主役に選びました。肥前七浦駅はJR九州の長崎本線の駅のひとつで、跨線橋からは海が見える、旅情たっぷりの無人駅です。
私は、2018年春の青春18きっぷを使った九州旅行の一環で訪ねました。肥前七浦駅の前に訪ねた駅がことごとく改築されていたため、レトロな木造駅舎に会えたときの感動はひとしおでした。
というわけで写真多めですがお付き合いくださいませ。では出発!
※2021年8月現在の情報をもとに書いております(撮影日は下記参照)
もくじ
国鉄時代の駅名標が残る肥前七浦駅
肥前七浦駅の基本情報
路線:長崎本線(JR九州)
撮影日:2018年3月下旬
駅名標に書かれている魚は、有明海に生息するムツゴロウです。ほかにも国鉄時代の駅名標が残っていました。
プラットホームから電車を見送ります。
プラットホームにはキロポストもありました。61と2分の1。つまり、鳥栖起点で61.5km地点にあるということですね。
肥前七浦駅の跨線橋からの眺め
跨線橋を上っていろいろ景色を見てみましょう。
肥前七浦駅は、片側に線路が通っているプラットホームがふたつ向き合っている相対式ホーム。左は駅舎側にあるホームで、長崎方面に向かう下り線。右は佐賀方面に向かう上り線となります。
上り方面には屋根付きのベンチが設置されているようです。
駅舎側からは遠くに海が見えます。有明海ですね。
反対側は田畑と民家、その奥には山々が連なる様子が見えます。大きな道は県道?それとも国道444号線でしょうか?車に詳しくないので、地図を見ても分かりませんでした。
肥前七浦駅の木造駅舎をいろんな角度から眺める
1934年(昭和9)の開業当時からの木造駅舎が残る、肥前七浦駅。私は特に、跨線橋から見下ろすのが好きです。
錆びついたような、茶色い瓦ぶき屋根が個性的でお気に入り。一部青い瓦になっているのは、訳あって新しい瓦に変えたといった事情があるのでしょうか。
庇のトタン波板も錆びついたのか、茶色くなっています。
上りホームからプラットホームの擁壁込みの駅舎を眺める。擁壁の色がまだらなところに歴史の重みを感じます。
再び駅舎と接している下りホームへ戻ります。改札へは階段を下りて行くようです。
改札そばは庭園?のようになっており、ほんの数段ですが石段がありました。その先には石を積んで造った山があり、てっぺんには漁で使われる浮き球のようなものがありました。海の近くの駅らしいですね。
ほかにも小さな池があったのですが、自然のままの姿って感じでした。
駅舎を外から見るとこんな感じ。お気に入りの屋根は見えにくくなっちゃいましたが、板を少しずつずらして張った「下見板張り」の壁がよく見えます。
下見板張りにすると雨水が地面に落ちやすくなり、浸食を防げるのだそうですよ。
玄関口にはしめ縄が飾られ、そばには手入れされた花木もありました。地元の方の肥前七浦駅への愛が感じられますね。
肥前七浦駅の待合室と駅ノート
最後は駅舎のなかを見ていきましょう。玄関口を通ると、大きなボビンみたいなものを縦向きに置いてカウンターテーブルに見立てたものがありました。立って電車を待つときに便利ですね。
ちなみにこの大きなボビンはケーブルドラムって言うそうです。ひとつ勉強になりました。
私が訪問したときは、ケーブルドラムの上に新聞紙が敷かれて鳥のフンで汚れないようにしていました。
なぜなら、真上の蛍光灯にツバメが巣を作っちゃったから。よくまあこんなすき間に巣を作れたもんだ。
隣には座って電車を待てる待合室がありました。テーブルには季節の花が生けられていて、ここにも地元の方の駅愛が感じられます。
待合室のすみっこには、ものすごく歴史がありそうな金庫がありました。現役で使われているのだろうか、それとも開かずの金庫?
テレビでこういう金庫を開ける番組ありますよね。ちょっと開けて欲しい気持ちになりました。
そして最後は駅ノート!私が訪問したときは第1号でした。
私が訪問したときはペンがなくなっていたので、自前のボールペンでひと言書かせていただきました。字がへたくそでお恥ずかしい。
そして駅舎を見た興奮のあまりボールペンを忘れてきちゃいまして。これもご縁ってことで、そのままペンを使ってもらうことにしました。Twitterでつぶやいたらノートを管理されている方からリプライをいただいて、すごく感激したのを覚えています。
【ブログ更新】4日目の様子です。肥前七浦駅間に訪問された方、駅の思い出ノートと一緒に黒インクのボールペンがありましたら、それ私の忘れ物です。ぜひ使ってください。 #一人旅 #旅行記
九州旅行 青春18きっぷ④佐賀駅~肥前七浦駅間(長崎本線)でぶらり途中下車の旅 https://t.co/yM6URWIQF8— かのえかな-駅とマンホールと野球- (@kanoekana) April 3, 2018
あれから3年。ノートはどれくらい埋まったのでしょうか、何冊目になったのでしょうか?再訪してまた記念に書き込みたいですね。
ずっとこのままでいて欲しい木造駅舎と地元の方との交流。そんこんなで肥前七浦駅はお気に入りの駅となったのでした。最後は旅の相棒・こけしのはれぎちゃんとのツーショット写真を。
次回は肥前七浦駅からの散策を紹介します。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。