鳥栖駅の歴史あるレトロ駅舎を巡る。中央軒の名物駅弁も【佐賀駅から約30分】

投稿日:2022年6月16日 | 更新日:2023年9月28日

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九州で歴史ある鉄道駅と言えば、佐賀県にある鳥栖駅。歴史の重みを感じさせる木造駅舎が何とも旅情をかきたててくれる、大好きな駅のひとつです。

そんな鳥栖駅の駅舎もよく見ると、実はマイナーチェンジをしています。そこで、鳥栖駅の駅舎をじっくり探索することにしました。

※2022年6月現在の情報をもとに書いております(撮影日は2019年3月)




鳥栖駅のプラットホームとうどん屋さん

今から130年以上昔の1888年(明治21)。九州(博多~久留米間)に初めて鉄道が敷かれたときに開業したという歴史をもつ鳥栖駅。

3年後の1891年には鳥栖~佐賀駅間も開通。鳥栖駅は鹿児島本線長崎本線が乗り入れるターミナル駅となり、現在に至ります。

鳥栖駅のプラットホーム。柱の一部には、古くなったレールが再利用されています(秩父鉄道の三峰口駅みたい!)。

写真右上に白いプレートが天井から吊るされているのが見えますか?これにはどの国のレールが使われてるかといった詳しい情報が書かれています。

柱が分岐して屋根を支えている部分も、レール特有の凹凸が見えます。

ホームの端まで歩いてみる。昔ながらの丸い時計がありました。

駅の売店はkioskじゃなくて「ユアステーション」中央軒が営業しているのでしょうか?駅弁も売られてるみたいです。

売店の裏側には中央軒の立ち食いうどん・そば屋。ここは九州で初めて立ち食いうどんを営業したお店として有名です。名物はかしわうどん。私は今回は食べられませんでした。

続いて、鳥栖駅の構造を追っていきましょう。




鳥栖駅の駅構造と改札の様子

鳥栖駅の駅構造は、両面に線路がある島式ホーム3面で、6つの乗り場があります。改札と乗り場は、こちらの地下通路でつながっています。

地下通路の様子はこんな感じ。地下だから当たり前だけど、薄暗くてアンニュイな雰囲気があっていい感じです。

地下通路からプラットホームに上ると、改札側の通路がこんな感じに見えます。

通路の屋根の下の方がデコボコしているのが分かりますか?実はこれ「鼻板飾り」って言いまして、欧州の古い駅舎によく見られた装飾なんだそうです。明治時代にできた鳥栖駅だから、欧州の手法を真似たのかもって推測されています。

改札側の通路に来てみました。乗継待合室の看板がレトロで素敵ですね。

ほかには地元の高校生が書いたっぽい達筆な確定申告もありました(笑)ある意味、春って感じですね。

鳥栖プレミアムアウトレット15周年を記念して描かれた絵画もありました。

そして改札口に到着。自動改札機が4つ設置されています。大きな駅のわりにこぢんまりとしているというのが、個人的な感想です。

改札の目の前にはみどりの窓口。そして自動券売機があります。

反対側にはサガン鳥栖オフィシャルショップ併設のパン屋さん。その隣には、中央軒の駅弁屋さんがありました。

引き続き鳥栖駅の待合室から。上下に開閉させるの窓が設置っされてて、一部はステンドグラスのような装飾が施されています。

天井の中央がへこんでいる折り上げ天井。よく見ると丸井の「OIOI」を彷彿させる装飾がされてます。稼働はしてないけど換気用のシリングファンもありました。

床はタイル張り。一部剝がれててヒョウ柄みたいな基礎がコンニチハしてました。




歴史ある鳥栖駅の駅舎を彩る装飾たち

続いて駅舎の外に出てみましょう。

柱の基壇が古代ローマの神殿みたいな造り。

張り出した部分を支える持ち送りは金属製でアール・デコ調。昭和に入ってから付け足されたんだそうです。ほかのデザインのもありました。

出入口にある車寄せ部分には、ベンチやコインロッカーが並びます。

そして上をよく見ると、不思議な木の板が……。

実はこれ、ツバメの巣の落とし物が床に落ちないようカバーする板なんです。鳥栖駅にはたくさんのツバメの巣がありました。ヒナがエサを求める時期は、駅がより一層にぎやかになりそうですね。

駅前のターミナルには、サガン鳥栖のマスコット・ウィントスのオブジェも。

駅舎を離れて見るとこんな感じ。古き良き木造平屋建ての平入(=屋根の流れ方向に出入口がある)です。駅前はタクシー乗り場になっています。

駅舎の青色がなんとも美しくて、駅舎好きとしてはテンション上がります。でも、昔の駅舎は白い壁だったそうですよ。

中央の時計や真っ赤な文字が映える駅名標も、後になって設置されました。駅舎の青と駅名標の赤のコントラストがたまらん。これを考えた人、素晴らしすぎる。

駅横にある歩道橋から、鳥栖駅の屋根を眺める。開業当時の鳥栖駅舎は瓦ぶき屋根だったそうですが、現在は化粧ストレート(セメントを固めてできた薄い板状の素材)を使った屋根になっています。

こうして見ると、昔ながらの構造は残しつつ、結構な箇所でマイナーチェンジしていることが分かります。それでも昔懐かしい雰囲気が損なわれていないのが、本当に素晴らしいです。

ちなみに鳥栖駅のシンボル(と勝手に思ってる)煙突は、駅舎ができたときからあるものです。屋根に煙突を立てるのは、近代日本の建築の典型だったそうですよ。

歩道橋からはサガン鳥栖”のホームグラウンドも見えます。

さらに2本の留置線も見えました。




鳥栖駅名物・中央軒の駅弁をいただく

鳥栖駅といえば中央軒。ということで、私は駅弁の焼麦弁当をいただきました。中央軒の名物の焼麦(シャオマイ)とかしわめしが同時にいただける、お得な駅弁です。

まずは焼麦。お口の中いっぱいに豚肉のジューシーな甘みが広がります。常温でもおいしいのがありがたいです。

鳥栖は長崎街道の分岐点ってことで、海外の文化が入ってきやすい長崎の情報がそのまま流れてくる土壌だったのだそう。それで、本場仕込みの焼麦が誕生したわけです。

酢醤油でさっぱりいただけるのもお気に入りポイントでした。

そしてボリューム満点のかしわめし。佐賀の郷土料理で、鳥栖という地名の由来も鳥巣の郷ってところから来ていると伝わっています。鶏ガラだしで米を炊いてるので、ご飯自体に味が付いてるのが特徴です。

歴史をしっかり伝えつつも、進化している鳥栖駅。そして、駅弁や立ち食いうどんなど、鉄道グルメが充実している鳥栖駅。

おかげで楽しい駅探索ができました。鉄道で九州旅行するならぜひとも立ち寄ってもらいたい駅です。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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