3回にわたって、三厩駅からの観光エピソードを紹介します。ここでは三厩駅から龍飛崎までバスでアクセスする方法、そして階段国道と龍飛館を観光した様子をお伝えします。
撮影は2016年なので、階段国道は火事が起こる前の景色となります。では、出発です!
※2022年1月現在の情報をもとに書いております(撮影日は2016年9月中旬)
もくじ
三厩駅から龍飛崎へバスで行く【アクセス情報】
三厩駅から階段国道がある龍飛崎に出かける際は、外ヶ浜町営バス(三厩地区)を利用します。乗車するバス停は「三厩駅前」、下車するバス停は終点の「龍飛崎灯台」です。
バスの乗車時間は約32分となります。
三厩駅前バス停は、名前の通り三厩駅の正面にあります。大きな地図の横にバス停の看板があるので、すぐに見つけられますよ。
こちらが私が乗車した外ヶ浜町営バスです。
バスの運賃は100円です。小銭の用意をお願いしますとのこと。
早朝平日のバスってことで、三厩駅出発時の観光客は私ひとりでした。でも、バスが進むごとに地元の方でにぎわっていきました。
龍飛崎灯台バス停に到着。
すぐそばには「津軽国定公園 龍飛崎」と書かれた石碑がありました。さらにその奥へ進むと・・・
龍飛崎の人気観光スポットのひとつ、津軽海峡冬景色歌謡碑がありました。手前にある赤いボタンを押すと、石川さゆりさんが歌う津軽海峡冬景色がけっこうな大ボリュームで流れます。
「どう?聴こえる?」と電話越しに石碑から流れる歌声を聴かせている方もいました。
鉄道とバスの接続にご用心
三厩駅から龍飛崎へ向かう場合、鉄道とバスがスムーズにつながるタイミングは1日5回しかありません。帰りの龍飛崎~三厩駅間はさらに本数が少なく1日3回です。旅程をしっかり立てておきましょう。
※2022年1月現在の乗り継ぎ※
JR線到着―三厩駅前発―龍飛崎灯台着
7:43着―8:00発―8:32着
12:20着―12:34発―13:06着
14:42着―14:55発―15:27着
17:22着―17:43発―18:13着
お次は帰りの乗り継ぎです。
龍飛崎灯台発―三厩駅前着―JR線出発
11:50発―12:22着―12:42発
13:55発―14:27着―15:40発
17:00発―17:32着―17:51発
ちなみに私はあさイチの便で龍飛崎へ行って、最初の帰りの便で三厩駅に戻りました。現在の時刻表なら8時に三厩駅を出発して、11時50分龍飛崎灯台発のバスに乗る感じですね。
観光に使った時間は3時間ちょっと。これだけあれば龍飛崎観光の主要スポットは回れるかと思います。
鉄道もバスも時刻表が変わる可能性は大いにありえるので、出発の際は公式サイトで最新情報をご確認ください。公式サイトは記事の最後にまとめて載せておきます。
階段国道(国道339号)を歩く
津軽海峡冬景色歌謡碑を通り過ぎて道なりに歩くと、階段国道の看板が見つかります。龍飛崎灯台バス停からはわずか1分ほどの距離です。
案内通りに進むと、階段国道の入口が見えました!こちら正確には「階段国道339号線 上側」といいます。おにぎりと呼ばれる標識も建っています。
私の場合、階段国道の所要時間は片道13分でした。写真を撮りながらでもそれくらいなので、早く歩けば片道10分ほどでも行けるかもしれません。
なぜ階段国道が誕生したの?
階段国道を歩き始める前にちょっとだけ、階段国道の歴史について紹介しましょう。
階段国道は日本唯一の歩行者専用の階段区間。全長388.2m、標高差約70mで、龍飛埼灯台と龍浜集落を結んでいます。階段の数は全部で362段です。
なぜ階段国道が誕生したかというと、ぶっちゃけ偶然の産物です。
このエリアはもともと山の中腹に中学校、山頂には小学校と病院があるにもかかわらず、整備されていない山道でした。
しかし、1964年(昭和39)から始まった青函トンネルの工事にともない人口が増え、このままじゃいかんと生活道路として整備することになったのだそうです。
こうして山にできた生活道路が、何らかの手続きの行き違いによって国道に認定されました。このあたりの経緯には諸説あります。なので、偶然の産物という結論に至りました。
階段国道について何となく知れたところで歩いてみましょう。階段の両脇にはあじさいが植えられています。
階段国道がある外ヶ浜町の町の花があじさいですからね、ここでもあじさいを楽しめるという訳です。
ところどころ、階段じゃなく坂道になっているところもあります。中央に見える鳥小屋みたいなものは、スタンプ台です。
階段国道を上側から歩くと、正面に海が見えるので眺めが最高です。おにぎりと海と階段のスリーショットをおさめられて大満足。
山を下るにつれて、くねくねとした階段に変わってきました。
さらに下ると、帯島がよく見える位置に来ました!手前に見える赤い祠は弁財天宮です。この景色もお気に入り。
実はこの日雨の予報だったのですが、見事に天気予報が外れてくれました。本当にラッキーです。
その後はどんどん住宅がある方に道が伸びていきました。
火事が起こる前の階段国道の景色
階段国道の階段部分をすべて下り終わりました!階段を見上げる「階段国道339号線 下側」の写真はよく見かけます。定番の撮影スポットの様です。
階段国道、これで終わりかと思いきやもう少し続くんじゃよ。この先は民家の間を縫うようにのびる小道を歩きます。
ただ、これから紹介する民家のエリアは2018年1月に火災が発生したため現在は姿が変わってしまっています。また、一部は通行禁止になっていたり、ルートが変わっている可能性があるのでご注意ください。
あくまで火災発生前の階段国道の様子として、ご覧ください。
赤いブロックで舗装されているのが、階段国道の続きを意味しています。階段じゃないけど、階段国道。大人ふたり並んで歩くのは厳しそうなほど細い道です。
途中には真っ赤な社の神社がありました。名前は分からず。現在はどうなっているのでしょうか、気になりますね。
赤く舗装された道が終わると、その先には国道339号の車も通れる道がありました。その奥には三厩龍浜が広がります。
地図で確認するとこんな感じ。ちなみにここから歩いて1分くらいの場所に、龍飛漁港バス停があります。
龍飛漁港も外ヶ浜町営バスのバス停で、龍飛崎灯台バス停の2つ手前にあります。階段国道を上りたいって人は、龍飛漁港バス停で降りていくと良いですよ。
今度は海沿いにのびる国道339号線を歩いて、次の目的地に向かいましょう。
龍飛岬観光案内所・龍飛館(旧奥谷旅館)を訪ねる
真っ青な空と透き通る海水が、海なし県民には眩しいっ!!
なんて思いながら歩くこと約5分。
次の目的地、龍飛岬観光案内所「龍飛館」が見えてきました。
龍飛岬観光案内所「龍飛館」は、太宰治が泊まったことで知られる旧奥谷旅館を改修して誕生した施設。レトロ建築が好きな人にはたまらない姿をしています。
筆で書かれた「奥谷旅館」の文字が力強くて素敵!それにタイルの装飾や板張りの外壁も歴史を感じさせてくれます。
中は資料館のようになっていました。先ほどの階段国道の豆知識もここで学んだものです。
完全なる逆光で中が分かりにくいですが、太宰治が宿泊した様子を伝える展示です。太宰治が小説『津軽』を執筆する際に3週間ほど旧奥谷旅館に泊まったのだそう。
ここには太宰治の中学時代の親友・N君(中村貞次郎氏)と泊まって、N君にこの地を案内してもらったそうです。
龍飛館を見学し終えたら、スタッフの方から手作りの飾りをいただきました。地元の子どもが作ったのだそうです。壊れないように空気が入った袋に入れてくれてるのが、親切でありがたいです。
また「おもてなしの参考にしたい」という地元高校生からのアンケートにも協力させてもらいました。
三厩駅でも思ったのですが、外ヶ浜町は子どもたちによる地域を盛り上げようとするアイデアがいっぱいで素敵ですね。本当に楽しかった。
もちろん、大人の皆さんの温かいおもてなしもありました。
龍飛館を見学し終えたら外に出て、海を眺めながら「北海道はすぐそばですよ」「あっちに見えるのが函館ですよ」という風にいろいろと教えてもらいました。
たくさんのものを見て、学んで、人の温かさに触れて・・大満足で龍飛館を出た最後になぜかゴリラを撮影。
もう少し歩けば太宰治文学碑があったのに・・。どうしてゴリラで満たされてしまったんだ、当時の私。
何はともあれ、この後は階段国道を上って再び龍飛崎灯台バス停があるところまで戻りました。次回も龍飛崎観光の続きを紹介します。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
※出発の際は公式サイトの最新情報をご確認ください※